何度見ても衝撃!「ジーザス・クライスト=スーパースター」あらすじと魅力を紹介

2024年2月1日

ジーザス・クライスト=スーパースター
ジーザス・クライスト=スーパースター
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イエス・キリストの最期の7日間を衝撃的なロック・ミュージックで描いたミュージカル「ジーザス・クライスト=スーパースター」を紹介します。
作品に詳しくなくとも、そのタイトルや楽曲は誰もが1度は聞いたことがあるはず!
劇団四季のミュージカル作品の中でも人気が高く、いつ見ても新鮮な感動と驚きを与えてくれる名作です。

■「ジーザス・クライスト=スーパースター」のあらすじ


出典:劇団四季公式YouTubeチャンネル

2,000年ほど昔のローマ帝国領パレスチナ。
ユダヤの王ヘロデとローマ人知事の提督ピラト、そして都市エルサレムでは大祭司カヤパが実権を握り、人々は三者の圧政に苦しんでいました。
そこにジーザスという青年が現れ新しい教えを説き、人々は彼に救いを求めます。
ジーザスが民衆に神と讃えられる一方で、人知れず苦悩するのは使徒のユダ。
彼はジーザスは一人の人間であり、民衆がそれに気づいたとき、愛する師に危険が及ぶのではと案じていました。
マグダラのマリアは苦難するジーザスに寄り添い、香油で彼の身を清め癒やします。

出典:Jejus Christ Superstar公式Instagramアカウント

エルサレムに入城したジーザスに、民衆は大熱狂。
それを見た大祭司カヤパはジーザスは民衆を扇動する危険人物だと確信し、彼を殺す計画を企てます。
ジーザスは自身の身にこれから死が訪れることを予期し、それを受け入れなければならない運命に脅え戸惑っていました。
マリアは献身的にジーザスを支えますが、彼の苦しみ全てを取り除くことはできません。

最後の晩餐の日、ジーザスはゲッセマネの園に弟子を集めて「この中の一人はわたしに背き、一人はわたしを見捨てるだろう」と語ります。
「それが誰か知ってるくせに」と、ジーザスに詰め寄るユダ。
口論の末ジーザスの元を去ったユダは、銀貨30枚と引き換えに彼の居場所をカヤパに知らせてしまいました。

出典:Jejus Christ Superstar公式Instagramアカウント

ジーザスは捕らわれ、カヤパとピラト、ヘロデ王に次々と引き渡されても、無抵抗のまま。
無力なジーザスの姿に、これまで神だと讃えていた民衆も「彼を殺せ」と罵ります。

やがて十字架の刑に処されるジーザス。
彼は全ての人の罪と人々の交錯する思いを背負い、ゴルゴダの丘で磔にされるのでした。

■「ジーザス・クライスト=スーパースター」の主な登場人物

ジーザス・クライスト スーパースター

◆ジーザス・クライスト

ジーザス・クライスト
ジーザス・クライスト

ガリラヤ地方にあるナザレの街に生まれた大工のヨセフとその妻マリアの息子。
洗礼者ヨハネに出会って洗礼を受けてからは、自身も神の愛を説くため、十二人の弟子を連れて宣教活動を始める。
神はすべての人間に無償の愛を注いでくれると説き、人々から「神の子」、「救世主」と称えられる。

◆イスカリオテのユダ

イスカリオテのユダ
イスカリオテのユダ

ジーザスの十二人の弟子の一人。
師であるジーザスを愛しているが、彼のことを神と讃えて崇める民衆に違和感を抱き、いつか彼の身に危険が迫るのではと密かに思い悩む。

◆マグダラのマリア

マグダラのマリア
マグダラのマリア

ジーザスの教えに従うマグダラ出身の娼婦。
ジーザスのことを神としてだけではなく一人の男性として愛し、献身的に世話をする。

◆カヤパ(大祭司)

民衆を苦しめる政権者の一人で、ユダヤ教の大祭司。
大祭司とはユダヤ教の祭司の長で、教徒たちの指導者のこと。
ジーザスがユダヤの王になることを恐れ、彼を捕らえようとする。

◆アンナス(カヤパの叔父)

カヤパの義父で、かつての大祭司。
ジーザスによって自分たちの地位を脅かされないように、カヤパに助言する。

◆司祭たち

カヤパとアンナスの部下に当たるユダヤ教の司祭たち。
ジーザスを目障りに思うカヤパたちに加担する。

◆十二使徒

十二使徒
十二使徒

ジーザスの十二人の弟子たち。
師であるジーザスを愛し、ユダ以外は彼を神だと崇めている。
劇中では使徒のひとりであるシモンが、群衆を導いてローマ帝国と戦おうとジーザスに提案する。
最後の晩餐でジーザスが「私を知らないと言う」と予言する使徒はペトロで、ジーザスが捕まると彼は保身のために「自分はジーザスの知り合いではない」と三回嘘をつく。

◆ピラト(ローマ総督)

ローマ帝国の行政を任されている総督。
カヤパが連れてきたジーザスを見て無害な男だと感じ、ヘロデ王に引き渡すが、彼の磔を望む民衆を抑えきれず、ジーザスを処刑する。
ジーザスがやってくる前に、男が磔にされる予知夢を見ていた。

◆ヘロデ王

ガリラヤの王で、ピラトが連れてきたジーザスを尋問する。
神と崇められたジーザスに興味を持ち、水をワインに変えて奇跡を起こしてみろと命じる。

■【魅力①】ジーザスたち、民衆の人間らしさが生々しい物語


出典:劇団四季公式YouTubeチャンネル

「ジーザス・クライスト=スーパースター」は、ジーザス・クライスト(イエス・キリスト)の生涯を、最期の7日間に焦点を当てて描いた作品です。
この作品ではジーザスは一人の人間であり、多くの人に神と崇められても、心の中に消えない孤独を抱えています。
そしてユダは師であるジーザスを愛しているからこそ、ジーザスを神に祭り上げて日に日に熱狂する民衆に違和感を抱き、結果的にその愛情が歪んでしまうのです。
マリアもジーザスを見守りつつ、他の男性と同じように堕落させようかと衝動に駆られ、葛藤します。
キリストを題材にしているものの登場人物には人間らしさが垣間見えて、どの人物に注目するかによっても作品の魅力が違って見えるでしょう。

またこの作品に欠かせない登場人物は、役名の無い民衆です。
舞台セットがシンプルな「ジーザス・クライスト=スーパースター」では、アンサンブルが演じる民衆たちが舞台を動かしていると言っても過言ではありません。
ジーザスに救いを求めた民衆たちはやがて彼を批判し、暴徒と化します。
彼らの変わりようは恐ろしくもあり、人間の心の弱さや脆さがよくわかるでしょう。

この作品は1幕構成で休憩時間なしの舞台なのですが、見どころが沢山あるので約1時間45分の上演時間はかなり濃密に感じられるはずです。

■【魅力②】何度聴いても新鮮さを感じられるロックオペラ

出典:Jejus Christ Superstar公式Instagramアカウント

「ジーザス・クライスト=スーパースター」は、「オペラ座の怪人」や「レ・ミゼラブル」のようなセリフのない音楽劇です。
1971年に作曲家のアンドリュー=ロイド・ウェバーと作詞家ティム・ライスが発表したコンセプトアルバム「ジーザス・クライスト=スーパースター」を舞台化したもので、ジャンルでいえばロック・ミュージックで構成された歌劇であるロックオペラに該当します。

JCS(作品の略称)といえば、やはり音楽!
楽曲は、曲の途中で拍子が変わる変拍子の曲が多いのが特徴です。
例えば、1幕の最初にユダがジーザスに忠告する「彼らの心は天国に」や民衆が神殿に店を広げ、ジーザスが怒る「神殿」などの激しいナンバーは7拍子。
マリアがジーザスを思って歌う「今宵安らかに」や「私はイエスがわからない」といったゆったりしたナンバーには5拍子が使われています。
リズムに特徴があるせいか、JCSの曲は耳に残りやすく、何度聴いても新鮮に思えるのです。

そしてクライマックスの前に歌われるのが、テーマソングである「スーパースター」。
ユダがポップシンガーのように歌うシーンは、一度観たら忘れられないほど衝撃的ですよ。

【魅力③】劇団四季の公演は2種類、来日コンサートも人気


出典:劇団四季公式YouTubeチャンネル

劇団四季が「ジーザス・クライスト=スーパースター」を初めて上演したのは、1973年。
最初のタイトルは「イエス・キリスト=スーパースター」でした。
劇団四季は、本作をエルサレム・バージョンとジャポネスク・バージョンの2種類の演出で上演しています。
エルサレム・バージョンは、シンプルな舞台セットと衣装でエルサレムの荒野を再現しているのが特徴です。
ジャポネスク・バージョンは、日本の様式美を取り入れたユニークな演出。
俳優たちが歌舞伎風の隈取りメイクをしていて、大道具や開幕時の音楽にも和のテイストが漂います。


出典:Bunkamura公式YouTubeチャンネル

また劇団四季の公演だけではなく、各国のミュージカルスターが集結する「ジーザス・クライスト=スーパースター in コンサート」も大人気!
最近では日本でも2021年にコンサートが開催され、話題になりました。

■まとめ

ミュージカル「ジーザス・クライスト=スーパースター」のあらすじや登場人物、作品の魅力について紹介しました。
ジーザスの苦悩、民衆たちの移りゆく感情が生々しく、印象的な楽曲がさらに舞台の衝撃を掻き立てます。
2024年には劇団四季のエルサレム・バージョンが上演されるので、ぜひ劇場に足を運んではいかがでしょうか?

ジーザス・クライスト=スーパースター 公式ホームページ